カリキュラム・シラバス

教育研究分野・シラバス:浦野 茂 研究室

研究室紹介

指導教員

教員 研究分野 メールアドレス
教授 浦野 茂 社会学(医療社会学)

shigeru.urano(@mcn.ac.jpを付けてください)

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研究内容

 一言で私の研究関心をいうと、個人の心や身体がどのような社会文化的環境のなかに置かれ、どのように経験されているのかを具体的に明らかにすることです。
 一例として、心に病気をもつとされている人について、これを述べてみましょう。「何らかの病気をもつ」という判断はどのような文化的背景をもとにしてなされているのでしょうか。また、そう判断される人たちは現在の社会のなかで、どのような困難を経験しているのでしょうか。さらには、そのような人たちに対して現になされている支援は、どのような社会関係のもとで、どのようなコミュニケーションを通じて行われており、そこにはどのような課題や問題が生じているのでしょうか。
 病気や障害というと、まず目が向かうのは個人の心や身体かもしれません。「誰彼の心や身体に問題がある、だからその問題に対して治療し、支援していこう」というように。とはいえ、このように判断できることだったり、それに基づいて治療し支援していくことじたいが、げんに存在している社会文化的環境という背景のもとに成り立っています。したがってこうした社会文化的環境がどのようなものなのか、そしてこの環境のあり方が病気や障害の経験にどのような傾き(たとえば特有の困難や課題)を与えているのかを明らかにしていく作業が必要になるはずです。
 大まかに言うと、私はこうした関心をもって、医療社会学と言う分野において研究を行っています。もしご関心がありましたら、次の文章をお読みいただけるとうれしいです:浦野 茂「場面にふさわしいやりとりのルールってどんなもの?」綾屋紗月編『ソーシャル・マジョリティ研究:コミュニケーション学の共同創造』金子書房, 169-211)。

 

修了生の研究テーマ

・退院調整看護師が抱える在留外国人患者の退院支援・退院調整における課題―文化ケアに関してコミュニティが果たす役割―
 (令和3年度)
・ドナー家族が脳死下臓器提供の承諾に至る方法とその 立場 ―本人の書面による意思表示がない場合におけるー(令和6年度)

 

進学希望者へのメッセージ

 病気や障害にかかわる日ごろの仕事や経験のなかで当たり前に行っている行為や判断について、いったん立ち止まって、それがどのような仕方でなされているのか、そしてそれを必要としているのはどのような背景的事情なのか、明確に言葉で表現できるようになれるといいなと思っています。